【Cross Care Academia:CCA】はじめに

CCA

はじめに

Cross Care Dental(クロスケアデンタル)では、全国の介護現場の皆様と共に、
誤嚥性肺炎ゼロプロジェクト(ゼロプロ)に取り組んでいます。
ゼロプロって、一体、何を目標に、そして何をやっているの?ってよく質問を受けます。

ゼロプ目標は、介護現場の誤嚥性肺炎を減らすこと、
ゼロにすることです。

というのも、介護現場では誤嚥性肺炎が非常に多く、そして、その誤嚥性肺炎によって多くの方が苦しめられているためです。

そのために、介護者が行う週2回の口腔ケアの実践・普及活動を行っています。

ゼロプロに取り組む、特別養護老人ホームマナハウスの小金丸施設長は、ゼロプロについてこのように語ります。

特別養護老人ホームマナハウス(入居定員69名)
施設長小金丸誠さん

誤嚥性肺炎は介護職員の力では、どうにもならないもの
医療の分野だから、って仕方ないものだと考えていました
どうすればいいかが分かってませんでした

週2回の口腔ケアが重要と聞いたときも、
一番は毎食後しなくてもいいんだ、って驚きでした
週2回、きちんとしっかりやればいいということが、すごく大きかったです
あっ、そういうものなの、だったらできるかもしれないと思いました


ゼロプロに取り組む特養マナハウスでは、介護職員が週2回の口腔ケアを行ったことで、1年間で誤嚥性肺炎による入院日数は何と1/4に激減しました。
更には、誤嚥性肺炎だけでなく、全ての入院日数も1/3まで激減することとなりました。
全ての入院が減るということは、これはすなわち、『介護の力でヒトの命を守る』ということです。

口腔ケアは命を守るだけではありません。
日常生活にも大きな彩りを与えてくれます。
口腔ケアは食の改善につながり、いつまでも美味しく口から食べれることをサポートできます。
低栄養の改善につながり、病気にかかりづらい健康な日常をサポートできます。
人生の最期の瞬間まで穏やかに過ごせる、穏やかな看取りをサポートできます。
このように口腔ケアは、その方の人生をより豊かな・安全なものに、QOLを高めることができます。

口腔ケアのいい影響は、それだけではありません。

口腔ケアに取り組んだ結果、介護職員の意識も大きく変化し、離職率は激減しました。
入院が減ったことで、介護施設の収入も年間約1,200万円の改善です。
これは、介護職員の収入増加にもつながり、介護に対するモチベーションがより高くなるきっかけとなりました。

更には、入院が減ったことによる医療費の削減効果は年間約4,250万円です。
このように口腔ケアは、関わる人が皆幸せになれる取り組みです。

ゼロプロでは、この口腔ケアの実践だけでなく、その普及も大きな目標に掲げています。
どのエリアでも、どの事業所でも、スムーズに口腔ケアに取り組むことができること。
そして、同様に介護の力で命が守れるという結果が得られること。
これらの再現性が重要だと考えています。

特養マナハウスの小金丸施設長は、ゼロプロについて更にこう続けます。

自分たちがやりたいと思ったことを、やれる環境をつくればみんな頑張ってくれます
介護の力で人の命を守ることができると思ったときには、
ずいぶん思いが変わったのではないかなと思います

ゼロプロでは、皆さまにやりたいと思っていただけるように、やれる環境を整えるために、
週2回の口腔ケアを標準化することによって、誰でも簡単に口腔ケアが行えるようにしています。
口腔ケアの進め方をマニュアル化することによって、その介護事業所でも迷うことなく口腔ケアを進めていけるようにしています。
入院日数や、OHATを用いて介護事業所の現状の見える化をすることによって、口腔ケアの効果の実感や、達成感が得られやすくしています。

※OHAT:”Oral Health Assessment Tool”の略で、看護、介護スタッフが障害者や要介護者の口腔問題を評価するための口腔アセスメントツールのこと。Dr.Chalmersらによって作成され、評価項目は、口唇、舌、歯肉・粘膜、唾液、残存歯、義歯、口腔清掃、歯痛の8項目ある。それぞれ健全から病的までの3段階に分類される。

実際に、全国で多くの施設が口腔ケアに取り組んでいます。
その結果、多くの施設で誤嚥性肺炎の減少がみられ、更には全ての入院の減少がみられています。
口腔ケアで、介護の力で命を守れることは、きっと真実なのでしょう。

初めは、口腔ケアに取り組むことに対して、忙しい、人手が足りないなど、心配に思われる方もいらっしゃいました。
しかし、自分で行う口腔ケアで、お口や全身の状況が日に日に改善していくのを見て、
介護の力で人の命を守れることを実感することで、大きく意識は変わり、
今では活き活きと口腔ケアに取り組まれています。

口腔ケアで最も大切なのは、心に火が灯ることなんだと思います。
自分たちで納得し、取り組むことで、必ず結果は現れます。
その心に火を灯すお手伝いをさせてもらうのが、私達の最大の使命であるとも感じています。

これまで、ゼロプロの詳細な内容について、なかなか説明する機会がありませんでした。
そこで、Cross Care Academia(CCA)では、ゼロプロが取り組んできた実際のデータをもとに、
その詳細についてご紹介していきたいと思います。

まず、CCAのスタートとして、

① 介護現場の誤嚥性肺炎の現状
② 介護者が行う週2回の介護のための口腔ケア
③ 介護の力で誤嚥性肺炎を減らした取り組み事例
④ 介護と医療で連携して誤嚥性肺炎を減らした取り組み事例

の計4回で、ゼロプロの概要についてご説明していきたいと思います。

適切な口腔ケアを行うことで、目の前の命を、あなたの力で救うことができます。

目の前でよくなるのを目の当たりにし、
その事実に自信をつけ、キラキラと輝きながら口腔ケアに取り組んでいる方が全国に多数います。
誤嚥性肺炎に悩んでいる方、口腔ケアに興味がある方。
このCCAが、多くの方にゼロプロを知っていただく機会となれば幸いです。

CCA1回目に続く↓

【Cross Care Academia:CCA】①介護現場の誤嚥性肺炎の現状について

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記事の著者

瀧内 博也(HIROYA TAKIUCHI)
代表取締役(Co-Founder / CEO)
歯科医師・博士(歯学)
©株式会社クロスケアデンタル

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全ての介護現場における誤嚥性肺炎を本気でゼロにしたい。

その想いから、徹底的に介護の現場に 寄り添える方法を追求しています。
ご検討いただいた結果、 「やっぱり今は難しい」でも 全く問題ありません。
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