誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトとは

誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトとは、介護現場に正しい口腔ケアを届け、誤嚥性肺炎をゼロにすることを目的として設立されたプロジェクトです。
本プロジェクトに参加いただいた施設さまや歯科さまにはこちらの公式マークを使用することができ、広報にもお役立ていただけます。

現在は、福岡市の介護施設を中心に誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトに取り組んでいます。
2016年に発足し、まず初めに介護施設の誤嚥性肺炎の実態調査を実施しました。その結果、100人規模の施設では年間に約20%弱の入居者が肺炎を発症し、その中の多くの方が介護施設に戻れず死に至っていることが分かりました。

2017年8月からは、多くの施設のご協力の下、介護施設への口腔ケア導入が開始されました。介護職員の口腔ケアによって、開始後すぐに肺炎は激減しました。更に、肺炎だけでなく全ての疾患も減少し、入院日数は全施設合計で平均約50%以上も削減される結果が得られています。
今後は誤嚥性肺炎ゼロ、入院日数ゼロを合言葉にして福岡から全国へと広げていきます。

介護施設における口腔ケア
介護施設における口腔ケアは正しい方法で行われることが重要です。
介護職員の方にお話をお伺いした際、「口腔ケアは誰に習いましたか?」と聞くと、ほとんどの方は「先輩職員に教えてもらいました」という返事を頂きます。
その先輩は誰に口腔ケアを習ったのでしょうか?おそらく、そのまた先輩なはずです。
つまり、介護施設では、「誰も口腔ケアの正しい方法を知らずにやっている」ことが想像されます。
そこで、口腔ケアの正しい方法を身につけることがまず重要となってきます。
ただ、介護職員の方は少ない人員の中で様々な業務をこなしている状況があります。そのため、現場の方の負担にならずに、口腔ケアを正しい方法で継続して実施できることが重要となってきます。
介護福祉士が口腔ケアを通して、入居者さまの役に立てていることを実感することで仕事にやり甲斐を見出すことにも繋がります。また、施設運営も入院が削減されることで、それに伴う手続き等の職員負担も軽減されることで、施設収入の増加だけでなく、働きやすい職場として離職防止にも効果があります。
結果が出ている理由
施設の全職員を対象にした導入セミナーを必ず実施

全職員に行きわたるまで施設内で複数回に分けて、口腔ケア導入セミナーを実施致します。
約2.5時間のセミナーの中で、前半は座学による口腔ケアへの理解を深め、後半では実技を通して相互に口腔ケアを体感・実施することで、全職員の理解と継続を支援します。
入居者1人あたり1回10分、週2回の簡単で効果的なケア

現場職員の方の負担が少なく、かつ最大限の効果が出る口腔ケアの方法を協力介護施設の意見を取り入れながら、独自に瀧内博也が歯科医師の目線から開発しました。
口腔ケアに取り組んでみたけど、現場の負担が大きく継続できなかったということを防ぎます。
歯科衛生士と指導動画による継続的な指導

介護職員の方が口腔ケアを実際に入居者さまに行う際に、歯科衛生士が立ち会って指導を行い、介護職員の口腔ケア技術の質を高めます。
さらに、導入後3ヶ月間は当社の歯科衛生士が提携訪問歯科クリニックの歯科衛生士に加えて施設に訪問することで、早期の介護職員のスキル定着の支援を目指します。
メディア掲載
2019年12月14日(土) | 週刊新潮 | 誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトの特別養護老人ホームマナハウスにおける活動および実績が掲載されました。 |
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2019年6月28日(金) | NHK福岡放送 | 「ロクいち!福岡」にて誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトおよび瀧内博也のインタビューが放送されました。 |
2019年6月3日(月) | 西日本新聞 | 朝刊に誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトの特別養護老人ホームマナハウスにおける活動および実績が掲載されました。 |
2019年4月4日(木) | 朝日新聞 | 7面「社会」に誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトの特別養護老人ホームマナハウスにおける活動および実績が掲載されました。 |
2019年1月11日(金) | シルバー新報 | 瀧内博也による誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトの詳細が掲載されました。 |
2018年12月15日(土) | 月刊老施協 | 2018年12月号 平成30年度全国老人福祉施設研究会議 北海道会議 介護・福祉が未来を拓く―老施協ビジョン2035― に掲載されました。 |
2018年12月7日(金) | 日経ビジネスオンライン | 「口腔ケアで肺炎激減、医療費削減効果も」記事が掲載されました。 |
2018年10月18日(木) | rkb毎日放送 | 今日感テレビ (特集1)医療特集~誤えん性肺炎 ゼロを目指す取り組み~ が放送されました |
2018年4月8日(日) | 毎日新聞 | 誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトの2018年3月までの活動および実績が掲載されました。 |
2018年1月22日(月) | 福祉新聞 | 瀧内博也による誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトの取組みが掲載されました。 |
2018年1月12日(金) | シルバー新報 | 瀧内博也による誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトの詳細が掲載されました。 |
2017年8月14日(月) | 福祉新聞 | 瀧内博也による広島県での口腔ケアセミナーの取組みが掲載されました。 |
2017年8月8日(火) | 中国新聞 | 東広島市安芸津町の高齢者施設「グループホーム金泉」における口腔ケアセミナーの取組みが掲載されました。 |

ご協力頂ける
介護施設さまへ
誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトにご興味をお持ちの介護施設さまは、まずはこちらからお問合せください。担当者から折り返しご連絡させていただきます。
また、実際に「私たちの施設でも口腔ケアセミナーをうけてみたい」等のご要望もご相談ください。
日程等に関する詳しいお話をご連絡致します。

ご協力頂ける
訪問歯科さまへ
国内の人口が減少する中、通常の外来歯科診療だけでは経営環境は厳しくなる可能性があります。
今まで訪問歯科診療をやったことがない、訪問する上で歯科衛生士が足らない等、ご安心ください。
歯科衛生士さん向けの事前の技術指導、介護施設での口腔ケア導入セミナーや実施後のフォローアップ等、介護施設で実際に口腔ケアを定着させるサポートをさせて頂きます。
また、すでに介護施設への訪問歯科診療を実施されている方もご相談ください。
お気軽にお問合せフォームよりご連絡下さい。
担当者より折り返しご連絡させて頂きます。
よくあるご質問
施設向け
Q施設に口腔ケアを導入したいのですが、どうしたら良いですか?
A
ありがとうございます。まずは、ホームページもしくはお電話にてお問合せください。
担当者よりご説明に伺う日程等をご連絡させて頂きます。
Q施設に口腔ケアを導入する際の費用はどのくらいかかりますか?
A
導入時には、統一した口腔ケアの手順で行えるよう必要な物品(歯ブラシ、歯磨き粉等)をご購入頂くための実費ご負担分のみです。
別途、毎月ご負担頂く金額もございますが、施設の規模等によって基準となる月額料金が異なりますので、詳しくはお問合せください。
Qすでに協力歯科さんがいらっしゃるのですが、口腔ケア導入に差し支えはありませんか?
A
はい、問題ございません。
現在懇意にされていらっしゃる訪問歯科さまがいらっしゃる場合は、口腔ケアの取組みをどうやって進めていくのが良いか等を施設さまと当社と訪問歯科さまと三者で協議をさせて頂きます。
Q今、来られている歯科さんとは別の歯科さんにお願いしたいのですが大丈夫ですか?
A
はい、問題ございません。
現在の訪問歯科さまとは別に、当社の推薦する歯科クリニックをご案内することもできます。但し、訪問歯科診療は距離による制限があります。俗に「16kmルール」と呼ばれている規定です。
*「16kmルール」
そのクリニックや病院のある所在地から半径16km以内の距離であれば、患者さんの元に医師が赴いて訪問診療を行うことができます。半径16kmを超過する場合は、例外的に認められる場合を除き原則、訪問歯科診療を行うことができません。
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そのため、当社の推薦する歯科クリニックが施設さまの近くにない場合は、周辺地域で協力して頂ける歯科医師を探させて頂きます。
Q実際に口腔ケアを施設で実施する場合のやり方はどうしたらよいですか?
A
職員さんが入居者1名につき、週2回、セミナーで習得する口腔ケアを行うことがポイントです。
ただその実施方法は施設さまによって様々です。
例えば、次のような取組方法をされている例があります。
・担当者制として、職員さんが受け持ちの入居者様を決め、口腔ケアを行う。
・曜日制として、入居者様の口腔ケアを行う日にちを決め、出勤した職員さんが当日の該当者を確認して口腔ケアを行う。
・入浴時の前後の待ち時間に口腔ケアを行う。
Q介護職員が忙しくて、職員が口腔ケアを実施できるか不安なのですが?
A
確かに、口腔ケア開始からの約2ヶ月は業務負荷が増える傾向があるという話を他の施設様からも耳にしています。ですが、その後は誤嚥性肺炎による入院や全体の入院日数が下がるため、入院手続きや他の業務手続きにかかる負担が減るため、中期的な視点では口腔ケアを実施していくことで職員さんの負担も減ると思います。
それでも、介護職員さんの人手が不足している等で口腔ケアを導入されたい場合は、当社の歯科衛生士が直接、入居者様に口腔ケアを実施することも可能ですので、ご相談ください。
Q入居者様の中には、お口の中に手を入れると噛む癖をお持ちの方など口腔ケアの実施が難しい場合があります。その時はどうしたら良いのでしょうか?
A
そのような入居者様こそ、口腔ケアのプロフェッショナルである訪問歯科さまに口腔ケアをお願いされてください。当社でお伝えしている口腔ケアを職員さんが実践してみて、口腔ケアを行うのが難しいと感じる入居者様がどれくらい施設の中にいらっしゃるのかが分かるといった「スクリーニング」も、入居者様全員の口腔ケアに取り組んでみて初めて分かることです。
訪問歯科向け
Q訪問診療の体制が整っていないのですが、どうしたら良いですか?
A
現在、訪問診療の体制がない場合は当社にて一から訪問診療を実施する体制づくりのアドバイスもさせて頂きます。訪問診療に関する知識的な面もサポートさせて頂きますのでご安心ください。
Qすでに訪問診療に行っている施設に対して導入できますか?
A
もちろん大丈夫です。すでに訪問診療に行かれている施設の方へのご説明等も当社にてさせて頂きますので、お気軽にご相談ください。
Q今スタッフとして勤務している歯科衛生士が訪問歯科診療に抵抗感があるのですが?
A
ご安心ください。そんな歯科衛生士さんの心に火を灯すのが私たちの役目です。
歯科クリニックさま向けの個別セミナーも実施致します。このセミナーは必ず全員にご受講頂くようお願いしております。だんだんと歯科衛生士さまの意識が変わっていくのを楽しみにされてください。
Q1施設に入れる訪問歯科は1医院だけですか?
A
いいえ、決まっていません。
施設によっては、複数の訪問歯科さまが入る場合もあります。例えば、100床規模の大型の介護施設の場合、フロア毎に口腔ケア指導を行う訪問歯科様さまが異なる場合も考えられます。どのように口腔ケアを行っていくかにつきましては、施設さまのご意向によります。
Q学会発表や論文掲載等をされたエビデンスはあるのですか?
A
いいえ、現在はございません。
但し、誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトを通した実績データがございます。こちらを基に当社の口腔ケアにより誤嚥性肺炎が減少しているという点を現状でお伝えさせて頂いております。
今後、当社の活動を実施していく中でデータを蓄積し、学会発表を行っていく予定です。